私が中学受験している頃、国語の問題文を読んでびっくりしたことを覚えています。

その問題文では、親は子供に対して“漫画ばかり見ないで勉強しなさい”というが、親も子供の成長に合わせて本を読んで勉強する必要がある。ということが書かれていた一文です。文の正確性は、ややあいまいのところがありますが、小学生の私にとっては衝撃的でした。大人である親はある意味完成されたもので、学ぶものなど何一つもないと思っていましたので。ただ、その当時は、大人はどんな勉強をするのだろうとは、深くは考えませんでした。

振り返ると、社会人になり仕事を通して直面する問題、家庭をもち子供をもち、そういった生活の中で直面する問題を通して、教科書には載っていない問題を、暗中模索しながら、なんとか、いい方向に行くように考え、行動していく、そういった事が大人の勉強なのだなとつくづく思います。人それぞれ、その人なりの問題を抱えていると思います。

前職の技術開発をしていた時、社内での若手の教育で、本を紹介しながら、私個人の物事のとらえ方、考え方を紹介しましたが、その時は、“今はこう思っているけど、3年後は変わっているかもしれませんが、、、”と前置きしながら話しました。確かに、3年も経つと考え方が変わったなと思います。正確には、変わったというより、視野が広がっていくという感じでしょうか。一つの考えにとらわれすぎたところが、バランスよくなっていくという感じでしょうか。よく成長して丸くなるという話がありますが、私は視野や考え方が広がっていき、そういったとんがったところを包み込みながら、いつのまにか気にしなくって行くという感じがしております。

ただ、この大人の勉強はいつまで続くのだろうとつくづく思ってしまいます。先日、10年以上前に定年退職された先輩ご夫婦に偶然お会いしたときに、奥様から“年をとるほど問題が大きくなっていくから。人生80、90年と考えると、まだまだありますよ。”と。まだまだ続くのかと思う一方、ポジティブにとらえると、多くを学ぶ機会があるととらえるのかなと。

慶光アカデミーのTOPへ戻る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です