京都大学(文系)の数学問題は、なかなかの良問ぞろいで、人の温かさを感じさせるような問題が多いです。解答方法も色々な解き方があり、しかも解答にはA4サイズに十分収まる分量で済む。美しさを感じるとともに、問題を作成されている方々に敬意を払いたいです。
その中でも、図形などの問題では、複数の解答方法が大学側で用意されているのではないかと思っています。塾の生徒さんに問題を解いてもらう前にこちらでも事前に解答して準備をするわけですが、その時そのお子さんにあうであろう方法を想像しながらも解いたりします。
そこで、タイトルにある問題を、幾何を用いて解いてみたいと思います。
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2024年度 [1]
四面体OABCが次を満たすとする。
OA = OB = OC = 1, ∠COA=∠COB=∠ACB, ∠AOB=90°
このとき、四面体OABCの体積を求めよ。
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ぱっと見た感じでは、空間座標かあるいはベクトルあたりで解くのかなというのが第一印象になります。まずは、作図して方針決めです。
4点ありますが、∠AOB=90°と90度の角度があるので、点AとBはx,y軸上に設定するのがよさそうです。

図からこの問題のポイントは、いかにして“高さ”を求めるかということになります。方針としては、おおよそ下の2つになり、オーソドックスには①が正攻法だと思います。
(1) 空間座標/ベクトルから点Cを求めるか
(2) 図形でせめるか。
ここでは図形で攻めてみたいと思います。各面に着目すると、

3つの三角形が合同または相似より、
\( \qquad \qquad 1:x = x: \sqrt{2} \qquad \qquad x^{2}=\sqrt{2} \)\( \qquad \qquad z^{2}=x^{2}-\left( \dfrac{\sqrt{2}}{2}\right) ^{2}=\sqrt{2}-\dfrac{1}{2} \)

△OABは直角二等辺三角形ですから、ABの中点と点Oを結んだ距離は
\( \qquad \qquad x+y=\dfrac{1}{\sqrt{2}} ...① \)点Cから△OABに垂線を下ろすと
\(\qquad \qquad OC^{2}=h^{2}+x^{2} …② \)△CABに着目すると、先ほど求めたzが使えます。
\(\qquad \qquad z^{2}=h^{2}+y^{2} …③ \)②、③式から一端hを消去し、更に①式を用いてyを消去すると
\(\qquad \qquad x=\sqrt{2}-1 \)②式より
\(\qquad \qquad h^{2}=1^{2}-x^{2} =2\sqrt{2}-2 \)よって体積は、
\(\qquad \qquad V=\dfrac{1}{3}\dfrac{1}{2}\sqrt{2\sqrt{2}-1} =\dfrac{\sqrt{2\sqrt{2}-1}}{6} \)