虚数は、2乗すると負の値になる数ですが、この虚数単位であるiはいつ頃登場したご存じですか? 

数には、自然、小数、無理数、、、など色々ありますが、誕生した時代がそれぞれ異なります。

小学生の時に学習する小数と分数は、いつ頃誕生したか? 小学校での学習では、この2つの数を対応させながら勉強したりするので同じ時代に誕生したかと想像するかもしれませんが、かなり違うようです。

分数は紀元前17世紀頃の数学書“リンド パピルス”に記述され、3500年以上前には存在したことが分かっています。さて、小数はいつだと思われますか?

実は、小数が登場するのは16世紀ごろです。3000年は違うのです。推測ですが、直観的にも生活に身近な自然数が基本で、分数は5/7というような自然数の組み合わせで表現できるため、かなり昔から存在したのではないかと思います。一方、自然数の組み合わせで表現できない小数という考えは、かなり後になってから誕生したのでしょう。

最初の質問に戻って、18世紀、日本では江戸時代ですね。オイラーという数学者が虚数単位を定めました。この虚数というのは、当初数学者の間でも、イメージしにくく、受け入れられるまで長い時間かかったようです。そのような数を高校生がいきなり習うわけなので、なかなか大変だと思います。ただ、実数と虚数(正確には実部と虚部)をそれぞれ横軸、縦軸にして視覚的に表せるようになってようやく受け入れられるようになったようです。

実際に、高校生でならう虚数はこの座標系でとらえるほうが、解きやすいと考えます。距離という図形を意識する問題では、この座標系が威力を発揮します。

o

実部

(real)

虚部(imaginary)

A

o

実部

(real)

虚部(imaginary)

A

図のA点は、3+4iと表現できます。

ここでAに絶対値をつけたらどうなるでしょうか。

絶対値は中学生の数学に初めて登場します。

マイナスがついていたらマイナスをとるという感じで

覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

実は原点までの距離なります。

も、どうように原点までの距離になるので

数式にするとこのようになるわけです。