開発を行っていた時の話です。

プレゼンテーションの資料、研究レポートなどを作成する際は、寝かすということを必ず行っていました。土日あるいは1週間ほど見ないということをあえてする。何もしないというわけでなく、意識的にあえて寝かすというものです。その後でもう一度資料を見返してみると、第三者の目で見ることができ、訂正すべき箇所が見えてきます。

 

自分だけ見て満足するものを作成するのであれば、このような事は必要ないかもしれませんが、他の人が見るもの、あるいは他の人を説得させる必要があるものは、その人が見たとき、聞いたときに納得するものにしたいものです。

私の場合、社外でお客様へ新技術の紹介を行うことや、あるいは社内で技術調査結果を踏まえて開発の方向性を示すときに資料を作成する必要があり、その際は色々と配慮しながら作成したことを覚えています。当然ながら、関係者に資料を事前にチェックしてもらうのですが、更にプラスアルファとして、この寝かすということをします。

 

この時に、注意している事は、伝えたいことが、論理的に、スムーズに、分かりやすく伝わるかです。

 

当然ながら、見る人は自分と異なる人なので思考が異なりますし、気になるポイントも異なります。理解度も異なる場合もあります。説得する相手が分かっている場合は、その人を想像しながら、まとめればいいのですが、その相手が分からない、あるいは複数いる場合は、やはり論理性が重要になります。

この論理性をもっと充実させるために、寝かすという作業をします。

開発者として若い頃の事ですが、資料を作成している時は論理的と思っていても、案外論理的でないなぁと思ったことがありました。当然見返しているのですが、その見返している時に、資料で欠落している情報を自分の頭の中で、勝手に補完しあたかも論理的に筋道が通っていると思い込んでしまう。その状態で、第三者に紹介すると、途中でポカーンとされてしまうということがありました。

こういった状況を回避するために、寝かすということを行うと、寝かした後に自分の資料を見ると、頭の中で行っていた補完という作業がないために論理的に足りないところを見つけることができます。

また、必要以上に情報を付加しすぎていないか、ということも見つけることができます。情報量が多すぎて、伝えたいことが、かえって すっーと入ってこない場合もあります。

 

受験であれば志望動機書、大学あるいは社会では発表する論文、レポートではこのような論理性を要求されることがしばしばありますので、寝かすという作業はとてもお勧めです。

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