中学数学でとくに大切な2つの単元

中学校で習う数学の中で、私は次の2つを非常に大切だと考えています。

  • 三角形の合同の証明問題
  • 関数

もちろん、連立方程式や2次方程式などの計算力も重要です。ただ、高校に入学してからの数学を考えると、論理的な記述が必要となる三角形の合同の証明問題はとくに大切です。

この「論理的に説明する」力は、大学に入ってからも、社会に出てからも役立ちます。その練習の第一歩が、この合同問題だと思います。

問題1|仮定を整理するだけで解ける基本問題

図のように、AB=ACである二等辺三角形ABCの辺AB、AC上にBD=CEとなる点D、Eをとる。 △BCDと△CBEが合同であることを証明しなさい。

解答

△BCDと△CBEにおいて

仮定より、BD=CE …(1)

AB=ACである二等辺三角形ABCより、∠DBC=∠ECB …(2)

共通な辺BC …(3)

(1),(2),(3)と、「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」合同条件より、

よって、 △BCD≡△CBE

この問題の場合、与えられた仮定が三角形の合同条件の要素にすぐ直結するので、仮定を整理するだけで証明が可能でした。

ただ、次のような問題はそう簡単にはいきません。

問題2|残り1つの条件が見えない問題

図のように、△ABCの∠Aの二等分線と辺BCとの交点をDとし、Dから辺AB、ACにそれぞれ垂線DE、DFをひく。 このとき、AD⊥EFであることを証明しなさい。

解く方針

AD⊥EFを証明するということは、ADとEFの交点をPとおくと、図からも△AEPと△AFPは合同であることが容易に想像できます。

問題2の図上に点Pを設定

このことを証明してから、次に∠APE=90°であることを説明して、AD⊥EFを証明すればよい、と方針が決まります。

そこで△AEPと△AFPに着目すると、

仮定から、∠EAP=∠FAP …(4)

共通な辺AP …(5)

この2つの条件はすぐにわかりますが、残り1つは問題文からすぐには思いつきません。

このような場合、結論から条件を考える(逆から考える)と、目標が明確になり問題が解きやすくなります。

結論から条件を考える(逆から考える)とは

迷路に例えると、迷路の道順を探すときに「スタートからだけ」で探すのではなく、「スタートとゴールの両方から」探すというものです。

  • 左の迷路:スタートから出口まで、一方方向にたどって解く
  • 右の迷路:スタートからの道(緑)と、出口から逆にたどる道(赤)が途中で出会う

後者が「逆から考える」イメージです。

三角形の合同の証明に必要な3つの条件のうち、2つの条件は分かっているが、残りの1つがすぐに分からない場合、この残りの1つの条件を合同条件から探す、という考え方です。

ステップは次のとおりです。

1:等しいことがすでに分かっている2つの条件を使う合同条件を洗い出す

2:その合同条件で使う残りの条件を特定する

このステップを踏むことで、やみくもに考えずに済みますので、より完答に近づきます。

問題2の場合|(A)と(B)、どちらを検討するか

(4)、(5)の条件から、次の2つの合同条件が考えられます。


言えれば使える合同条件判断
(A)AE=AF が言えれば「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」検討すべき
(B)∠APE=∠APF が言えれば「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」除外

(B)は、合同を証明してから言うべき結論なので、除外されます。したがって、(A)が検討すべきことになります。

AE=AFを言うために

次に、AE=AFを説明するために、まだ使っていない仮定 ∠AED=∠AFD=直角 をどのように使うかに集中します。

そうすると、△AEDと△AFDに目が行きませんか。そう、この2つの三角形が合同です。

それでは、これまでのことを整理して解答します。

問2の解答

△AEPと△AFPにおいて

仮定から、∠EAP=∠FAP …(4)

共通な辺AP …(5)

△AEDと△AFDにおいて

仮定から、∠EAD=∠FAD …(6)

仮定から、∠AED=∠AFD=直角 …(7)

共通な辺AD …(8)

(6),(7),(8)と、「直角三角形において斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい」合同条件より、

よって △AED≡△AFD

したがって、AE=AF …(9)

(4),(5),(9)と、「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」合同条件より、

よって △AEP≡△AFP

したがって、∠APE=∠APF

∠EPF=∠APE+∠APF=180°より、∠APE=90°

よって、AD⊥EF

まとめ

  • 合同条件の要素が仮定にそろっている問題は、仮定を整理するだけで解ける
  • 2つの条件は分かるが残り1つが分からない場合は、結論から逆に考える
  • 逆から考えるコツは、すでに分かっている2条件で使える合同条件を洗い出し、残りの条件を特定すること

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